M1 カービン
U.S.Caliber.30CARBINE

1941年10月
多数の試作受注メーカーの中で、ウインチェスターリピーティング・アームズカンパニーが軍を納得させ、正式採用に至った小型軽量小銃。最初期の生産ロッドにおいては、開発メーカーであるウインチェスターと、インランドマニファクチアリングデビジョンの2社が選定され、製造にあたった、以後、多数のメーカーによって超大量の生産がなされ、モデファイド(改良)が随所に加えられ、様々なバリエーションの物が存在している、国内でも無可動加工されたM1カービン【写真】が多数流通している。

第二次世界大戦中のモデル
WWUにおけるM1カービンは、生産開始直後より、各部品に改良が加えられ、外観上もその組み合わせによって、異なったバリエーションが出来上がっているが、実際には、その大半に初期型スタイルの物が、WWUを通じて、変わらず使用されている。
外観上の主な特徴
ストック ストック フロントバンド フロントバンド セフティ
タイプA.

ハンドガード最後端の真下に位置する部分で、切り込が終わる。

通称 ハイウッド
(写真はタイプAバージョン2と呼ばれる物。バージョン1は、後部のオイラー収納部の上下端に切り込みがあり、その形からIカットと、呼ばれている。)
タイプA.バージョン4

ハンドガードの切込先端に合わせて切り込みがある。

通称 ローウッド
(戦中戦後を通して、タイプAバージョン1〜3のハイウッドも回収され、ローウッドに改良加工されていく)
ちなみにハイウッドは『スタンダード』ローウッドは『モデファイド、スライドクリアランスカット』と呼称される。
タイプA.

バンド本体で、ストックのスプリングを止める様になっている、スイベル止めとバンド本体を固定するスクリューが、兼用になっている。(写真はタイプAバージョン2と呼ばれる物・バージョン1は、スイベルの幅が狭い)
タイプB

強化型フロントバンドで、幅広になり、スイベルもワイヤー型となっている。(写真はタイブB・バージョン2・バージョン1は下部スクリュ回りの型状が鋭角になる。)
やや遅れて同型に、着剣ラグの付いた、タイプCも採用されている。
タイプA

トリガーハウジングを挟んで両端からのプッシュタイプ。
チェッカーの入った物、平らな物、角が面取りされた物、刻印のある物、無い物等、多数のバリエーションが有。
後に、レバー式の物に改良されるが、他の部品と同様に互換性があり、セフティを固定するプランジャーや、スプリングは、共通である。
ハンドガード リアサイト レシーバー ボルト
2穴のリベットで、内側の金具が固定されている【下写真】。後に計4穴分のリベットに強化される。 又、上から見て真中の溝に深い、浅いの2種がある。


『L型フリップサイト』と呼ばれる可倒式の2段切替。後にウインデージ調整可能なT21型リアサイト【下写真】に改良される。
これにより、レシーバー上部、後端に刻印された製造メーカー名は、リアサイトに遮られ見えなくなる。

オペレーティング・スライドレール(溝)の最後端が正面から見て直角、最初期型の特徴である。
以後は、大半が正面から見て半円型に改良される。
フラットトップ型で、後に厚みを持たせて強化した、ラウンドトップ型に改良される。
タイプA バージョン1
※ Iカット・オイラー収納部 ※ハイウッド
タイプA バージョン2
※ストレートカットオイラー収納部 ※ハイウッド
タイプA バージョン4
※ストレートカットオイラー収納部 ※ロ−ウッド
外観上のタイプ別特徴 (ストック)
タイプAバージョン1のストックは、現存する物が特に少なく、欧米では、別タイプのストックに、Iカット・ハイウッド加工を施した物も『改造版』として、一部流通している。
又、Iカット = ハイウッドである図式が解る事からも、Iカットでローウッドの物は回収され、ハイウッドからローウッドに改良した物であると言う事になる。
ちなみにタイプBは、M1A1用のストックを指し、バージョン1(ストレートグリップ・ハイウッド)とバージョン2(カーブドグリップ・ローウッド)のバリエーションがあり、戦中は、インランド社のみで製造されている。 又、別種のM2用がタイプC、T3用がタイプD、M3用がタイプEと分類される。
         (ストック・カットパターン)
(ストック・オイラー収納部)
           上。ハイウッド  下。ローウッド 上。アイカット 下。オーバル(ストレート)カット

(M4銃剣・M8スカバード)

M1カービン専用銃剣、銃本体の
着剣ラグ付フロントバンドの配備
に先行して供給された。      
(フロントバンド)
タイプA タイプB タイプC
レバー式セフティ
(ロータリータイプ)
大まかな、外観上のみの特徴を記したが、配備後回収改良(部品交換)が繰り返され、又 戦線に対しても、メンテナンス用に、様々なメーカー製のパーツパックが供給され、それら全部が互換性を有していた事から、内部のメカニズムについても、現存するM1カービンの大半が、複数のメーカー製パーツで構成された物となっている。
(M1カービン +最初期型+ 部品構成 )
ストック・タイプA (ハイウッド・アイカット・オイラー部)
リアサイト (L型フリップサイト)
ハンドガード (2穴リベット型)注:切り込みの無いハンドガードも製造されている。
フロントバンド・タイプA (スイベルの幅が2種)
セフティ・プッシュ式 (チェッカリングの入った物)
ボルト (フラットトップ)
   【 WWUを通じて最も良く見られる構成 】
(WWU +実践配備最終型+ 部品構成 )
ストック・改良型 (ローウッド・ストレートオイラー部)
リアサイト T21型  (微調整可能なクリック式)
ハンドガード (2穴リベット型)
フロントバンド・タイプB (強化型・ワイヤースイベル)
セフティ・プッシュ式 (刻印入、又は無し)
ボルト (ラウンドトップ)
   【 WWU終版でちらほら見かける構成 】
※終戦時においても、着剣ラグの付いたCタイプのフロントバンドは、実戦に投入されていた裏付けが無く、記録では、1944年5月に、M4銃剣と共に正式採用されていたにも係わらず、銃剣のみの配備が先行した様で、実際の配備は終戦直前、事実上の本格配備は、戦後からであると考えられる。

M1A1 カービン
1941年10月に正式採用され、翌11月に量産の契約が交わされ、実際には1942年7月から、初期の量産が始まったM1カービンであるが、軍はその生産配備を決定し、程なくして空挺部隊での実戦配備を意図し、M1カービンに収納型銃床を装備、より携帯を容易にしたモデルの試作を、M1カービンの初期量産ラインの整備に追われていた、ウインチェスター、インランドの2社と、政府直営のスプリングフィールドアーモリー計3社に要請。 同年5月、インランドの技術者ポール・ハミッシュのデザインによる、折りたたみ式ワイヤー製のストックに手を加え、完成度を高めた物を、M1A1として採用した。
又、M1カービンとの相違は、事実上ストックのみであり、他の機関部における構造や部品は、M1カービンと同様に互換性を有している。


M1A1は、1942年11月から生産がスタートし、44年末迄の2年強の間に、計140,000挺が納入された。

折りたたみ銃床の開放時、『M1カービン』と
同じ、全長になる、M1A1。


アクセサリー
M1・M1A1用キャリングバッグ&ホルスター マガジン(15RD)
マガジンポーチ フラットベース リッジドベース
キャンバススリング クレセントチップ クレセント強化型 ソリッドチップ ドレスホワイト
TYPEA TYPEA TYPEB TYPEB


15連マガジンのメーカーとタイプ
比較的、目にする機会の多いカービンのマガジン。タイプの識別は底部の形状で容易である。平らで穴の開いていない物が最初期型のタイプAバージョン1、平らで穴の開いている物がタイプAバージョン2、そして凹のある物が同バージョン3。タイプAは、15RDマガジン全体を指し、タイプBはバナナ型弾倉を指す。また、タイプAに刻印されたアルファベットは、メーカーとバージョンを示す。

マガジンタイプA メーカーバージョン別一覧
  メーカー
ウィンチェスター アンダーウッド クオリティハードウエアアンドマシンCO ロックオーラ アーウィンペダーゼン グランドラピズ サーギナウ ナショナルポスタルメーター スタンダードプロダクツ IBM インランド


バージョン1 BW,IW,SW IU GQ R-C,R-O,TR IP-I,I-IP,K-IP,IP-K K-SG K-SG MN SB,S-C,SK,SL,SS-4 SY-B IA,AI,K1,UI,TI
バージョン2 UW UU,U UQ,QU UR   SP,SG,U-S'G
  UN     SI,UI
バージョン3 BW,IW,SW IU,LU,UU,U GQ R-JLC,R-O,R-SS,IR     ISG,KSG,OSG,
JLC,WEP,SG
IN,MN,UN S-C,S-LC,O,SS JLC-B,OIB I-I,KI,LI
*IS(インターナショナルシルバー社)等、周辺機器のみを製造したメーカーについては、上記表に未掲載。
*グランドラピズ社のみサーギナウ社内の独立ユニット。

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